2024年2月13日(火)に参議院会館にて田村まみ議員にお会いし、小売や百貨店業界に関わる政策への取り組みを伺ってきました。終始和やかな雰囲気で話は進み、優しい気さくなお人柄もうかがえる素敵な時間となりました。今回はその中の内容を一部ご紹介させていただきます。
①政治家になろうとしたきっかけについて
Q:玉谷書記次長
政治家になろうとしたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

A:田村議員
当時は、労働組合活動の中で政治活動の研修会を運営する立場でした。「様々な課題の中に、法律の縛りや規制は労使で解決できない。この部分は政治の場でしか変えることができない。私たちの声を聞いてくれる国会議員を応援するために政治活動をやっているんだ。」というように説明しているのですが「(政治を)身近に感じる」という意味を「自分が本当にわかっているのか?」って思ってました。
当時、軽減税率導入の話があり、特にスーパーマーケットで働く中で単価が低いものになればなるほど影響が大きかったので、政治の必要性を感じてはいたけど、ピンと来ていませんでした。
なぜ政治活動をやらなきゃいけないのかっていうことを、皆になかなか伝えられなかった。自分が政治家をやることによって、多くの人たちに政治活動を伝えられるんだったら、やってみたいっていう風に思ってきたという、私の個人的な目的だったんですよね。
本当はそうじゃ駄目だと思うんですけど、その手段として政策実現が私の中であるんですね。労働組合の中で政治活動は本当に理解されずに進まなかった事を解決したいっていう風に思って立候補したので、カスハラ対策などは一番わかりやすいと思って取り組んでいますね。
A:川原林書記次長
私も組合役員をやっていて、何で政治活動やらなきゃいけないんだってずっと思っていました。おそらく、ほとんどの役員が思っているのではないかと。でも、そういう身近な問題から解決する取り組みの積み重ねのお陰で、田村さんは取り組みの意義を感じられた。だから立候補されたんだというお気持ちを伺えて、それだけで今日ここに来て良かったです。
A:田村議員
政治・政策に興味があるというよりかは、ツール(橋渡し役)になればいいと思ったけれど、多くの国会議員がいる中で、自分たち(小売業)業種の出身者がいないっていうのは、こんなに苦しいことなんだと感じました。
小売業で働いていた私がいる意味はそこにあると思ったし、会社側からも国会議員を出していないこの業界に誰かがいなくてはいけないとすごい思ったんです。徐々に政治というよりも、(小売業界の政治への)ツールが足りないのがよくないと思うようになりました。
➁コロナ禍の百貨店や商業商業施設への休業要請対応について
Q:玉谷書記次長
商業施設や百貨店の休業要請に対して、国会の場で現場の声や営業継続について、百貨店の名前を出して訴えて頂きました。当時、田村議員の国会答弁を組合役員にも共有しました。休業も強いられて非常に苦しい状況でしたので、多くの反響、勇気を貰った声を聞きました。非常に難しい取り組みだったと思うんです。「もっとこうできたんじゃないか?」と感じたことがあれば、ぜひ教えてください。
A:田村議員
業界団体の人たちと直接コミュニケーションを取れなかったのは、少し残念だったなと思うんですよね。労組メンバーやUAゼンセン経由で聞いて、働いている現場の人たちの声は分かったんです。ですが、「業界団体はどう考えているのか?」というのは、そもそも小売業全体が業界団体として纏まっていない中、業界団体として何を望んでいるのかという部分が、明確にやり取りできませんでした。
まだまだ、自分が議員になりたてであったことや、あくまで労働者代表側だけである部分も含め、コミュニケーションの取り方など、経験が浅かったと感じていますね。
途中ぐらいから動き出しましたけれども、最初から業界団体にしっかりアプローチしていれば、もっと早く対応できたんじゃないかなと感じています。
こういうケースは労使で解決しなくてはいけないところだし、一緒に政治に働きかけるっていうところは、産業の維持発展を考えた時に、私が政治をやらなきゃいけないもう1つの意義として、”労使で協力する”というところを考えていくべきですね。
カスハラも経営者が動き始め無いと、国が動かなかった。それなぜか?国の審議会は全部三者なんですよね。「公益・労・使」なんですよね。全員がそうだねっていうことしか通らないわけです。なので、労使でやるべきことをもっと作っていくっていくことをコロナ禍の時にできてれば、早く対応できたのでは?とすごく感じました。
A:菊池委員長
会社と話してもなかなか動かないもどかしい状況で、UAゼンセン経由で田村さんに現状をお伝えしたところ、内容を国会でお話いただけたんで、心強かったですね。あれ拝見して涙がでました。会社も「こういうパイプがあるなら一緒にやりたいね」っていうのは仰っていたので、労使一体で強めていきたいですね。

A:田村議員
すぐ変わることと変わらないことがありますね。コロナ禍はちょっと緊急事態異常事態だったわけなので、取り入れられ易かったというのは、現実的にありました。とはいえ、通常モード(平時)になったときは、国会の議員の数の論理があるわけなんです。三者(公益・労・使)がそうだなって思えることを発言し続けると、動き始めるっていうことはいくつか感じていて、製造産業の薬価の話はそうでしたね。野党がいくら言っても叶わないけれども、まともなことを言っているのであれば、動き始めるのは現実としてある。あまりいいことだと思われないかもしれませんが、大臣に言ったとしてもなかなか動かせないです。けれども、与党が「確かに問題だな」とか、それを聞いてて、地域に行ったときに支持者から同じことをちょっとでも言われたら「あ、これって今問題なんだ」っていうふうに、アンテナが立ち始めると思っています。その人達に向けて、私は一生懸命国会で質問しています。確認すべきことは、役人に依頼してやりとりすればいいんです。でも、それだと変わらない。もう少し課題提起していかなきゃいけないということを意識して国会で質問しています。
③薬価に関する取り組みについて
A:村石副執行委員長
薬価の件とかは、今もXツイートも1番多くされていますね。個人的に、田村さんが薬の問題に踏み込み始めたのは「なぜなのかなぁ?」と疑問だったんですよ。お話し頂いた“三者の思惑“がちゃんと整っていれば動けそうな気配を感じている、という部分が大きなところだったんですね。

A:田村議員
いちばん重点を置いたのは、薬業界のためでもなく自分たちに薬が届かない部分ですね。3年前から伝えているのに、ここまで薬不足になっている、「あんなにやってたのに!」っていう力不足も感じますけど、去年ぐらいから国のその正式な会議が動き始めています。それこそ少子化問題じゃないけども、今やらないと、のちのち大変な問題だと思っているのであえて活動していますね。おそらく、小売業界の方からしてみれば、「なんで薬ばっかりやってんだって?」ツイートを見てる人たちから結構言われたりもするんですけど。
A:村石副執行委員長
ニッチなところなんだけど、すごい重要なポイントですよね。そういうことだったんですね。
A:田村議員
パワーバランスいえば、医療業界は開業医が頂点で、病院の医者、薬剤師、その下のUAゼンセンの仲間の卸とメーカーが繋がっています。そこの賃上げのも全然できない状況ですね。営業利益率が非常に低い。賃上げできないということが、3年前の取組み始めたきっかけですね。
④カスハラに関して、今後の消費者向けの法整備や取り組みについて
Q:玉谷書記次長
カスハラの件でお伺いしたいです。消費者向けに何か法整備や取り組みを進めることなど、事業者が従業員を守る法律や取り組みだけではなく、アプローチを検討されていることがあれば教えて下さい。
A:田村議員
UAゼンセンの活動の中で、消費者教育の基本計画の中に、カスハラ対策の教育を入れてもらったんですよね。きっかけは、もともと消費者問題特別委員会に所属させてもらってて、消費者教育基本計画っていうのを見たんです。その中には、お客さまへの上手な申し出の仕方という部分は、カリキュラム内容として入ってたんだけれども、カスハラについてもしっかり明記してほしいって思ったんです。国の方で一生懸命やってたし、法改正も出そうかって準備をしてたんだけれども、消費者教育計画がUAゼンセン加盟組合の全国に広がるわけなので、消費者教育をぜひ入れてもらえないかっていうのを伝えました。
なんでこんな行動をしたかといえば、そもそも私、ある方に怒られたんですよ。
ある労組で、取り組みとして「カスハラ対策頑張ります!」という内容の話をしたら、後で、お店の責任者の方に「まだ入店したばっかりの従業員の人が、何人か話を聞きに来てくれてたんだけど、いきなりカスハラみたいなこと言われたら、こんなところで働けないって感じてしまいますよ。」「びっくりするし、そんな人ばかりじゃないし、私たちは基本的にはそういうことが起きないように、仕事をするのが前提でしょ?」って。
理解しているつもりだけど、カスハラ対策は、議員当選する前から力を入れて対策しなきゃいけないと感じていました。(お店の責任者の方に)言われたときにハッと気付いた。そもそもカスハラするお客さま以前に、従業員の方は、お客さまに気持ちよく自分たちのお店の商品サービスを届けたいと思って、プロとしてやってるわけなんですよね。
それをちゃんと受け取ってもらう土壌を作れば良いだけの話なんです。これは、サービスを提供する側も受ける側も必要なことなんです。提供する側は対応するけれども、受ける側にもそういう土壌を作っていくっていう取り組みとして働きかけなきゃいけないと。でも事業者がやると提供する側にどうしてもなってしまう。
真っ当な事業者が、真っ当な消費者の人達で、真っ当な消費者を守るためにやりたいって言ってるんだけど、なかなか難しかった。とはいえ、消費者教育をやらなきゃいけないんだなというふうに思ってて、もう一度、原点に立ち返りました。政策って怖いですね。何の為にやろうとしてたのかっていうのを忘れちゃいけないなぁって。当時は、労働者を守ることだけしか考えていなかったと思います。労働者を守るためが出発点とはいえ、なぜ労働者を守るのかを考えた時に、カスハラを少なくして、普通に来て買い物したお客さまを守ろうと考えるようになりました。
A:川原林書記次長
ネームバッチの件もそうですが、そのような取り組みが進む一方で、バッチがあることで「お客さまに名前を覚えて贔屓にしてもらうためには重要」と思っていらっしゃる方も百貨店って結構いらっしゃるんですよ。
ネームバッチで名前を名乗ることがなくなった状態になった時に、どういうやり方でお客さまとつながるかということを考えることも必要で、名乗らなくなった場合、もしかしたら適当な接客をしてしまう人が増えるかもしれない。この部分って、消費者・事業者セットで考えていく必要があるので、従業員とお客さま一緒に考えていただけるのはとても共感します。

A:田村議員
ネームバッチのフルネームの件は、薬局薬剤師の方は、ほかの人たちとあえて違う表示(フルネーム)をしなきゃいけない理由が真っ当なのかどうなのかという疑問があり、苗字だけに変更しました。名前を名乗るのかどうかというのは、職種業種の中での必要性とか、そのサービス提供するサービスのあの問題になりますね。一部、飲食店であだ名にしてるとか、ニックネームにしてるけども、本当にそれがいいのかとかなくすのが良いのかっていうのは、ここはその会社の姿勢にかってくるんだろうなって思います。
カスハラに関しても、厚労省がハラスメントガイドラインを出している中で、基準を明確にするっていうのは、法律を作ったとしても難しいと思っていて、最終的には現場の判断になってくると思っています。
A:玉谷書記次長
行政でもポスターを作成したり、こういうケースがカスハラに該当するんだよっていうのを独自に作ってたりとか多く出てきたなと感じています。企業としてなかなか踏み込めない部分ありますけど、少しずつ気分が変わってきているなと。
⑤万引き対策に関して、今後の法整備当の取り組みについて
Q:玉谷書記次長
IMGUの中に、スーパーマーケットの業態もあるのですが、(万引に対応する)手続きの煩雑性や、そこに取られる労力も大きいです。法整備など取り組もうとされている部分をぜひ教えてください。
A:田村議員
法改正については、いろいろ調べ切ったなかでいくと、万引きは刑法の中でも決して軽くない位置づけです。刑罰っていうのは他の犯罪とのバランスの中で決めていくものなので、厳罰すべきかどうかということは、他の法律も厳罰化しなくてはならないです。万引きだけが厳罰化になることはないんです。現実的じゃなさすぎるんですね。
いちばん現場で困っているのは、手続きの問題と起訴しない件数の方が多いんです。なぜ件数が挙がらないかというと、多くのケースがが起訴まで至らないという状況なんです。そのような課題対応として、手続き書類の簡素化が2回ぐらいされました。聞くところによると、まだそれぞれの都道府県警ですべて徹底されている訳じゃないようです。簡素化されたんだけれども、これまでの万引きという行為の対応イメージがあるので、小売業側が少額でも起訴までやらないんです。万引きがこれだけ多くなっているってことに対しての問題意識が世論に向かないんですね。なので今一生懸命起訴をして欲しいです。
手続きの簡素化をしている中でも、解決してもらいたいとなれば対応できます。ただ私たちが考えている以上に起訴するってことは、その人に前科をつける行為なので、簡素化にも限界があるっていうのも理解してもらわなきゃいけないです。それだけ犯罪私たちは許さないっていうところ、つまり毅然とした態度で、社会的に自分たちの地位を守るために手間をかけなきゃいけないということです。話をして万引き少額だからということで(起訴しない)という積み重ねが、今の大きな問題になってると思います。
私もスーパーマーケット業界だったので、万引きが発生すると、本当に半日以上、業務に支障が出る経験もしているので気持ちはよくわかります。
あとは、(万引き対策も含めた)効率化のためのデジタル技術投資という切り口で税制優遇する方法も色々あるかと思います。申請しにくいものがあれば伝えてほしいと思います。
税制優遇も製造業に合わせて設定してあるものが多いようで、利益率が低い小売が使えないという声もあります。それは一度質問をしていて、少し変わってきたりしています。
A:村石副委員長
結構捕まえるのは難しいですよね。むしろ組合員が会社に働きかけなきゃいけないところは結構多分あるんだと思います。明確に捕まえられそうなケースがあるんだったら、そのときは徹底的にやっていくってことをまずやっていくってことなんですね。
A:田村議員
厳罰化しても何してもそもそも捕まらないんです。100円でも万引きに対して起訴するというほうが実は抑止力になるんですよね。くわえて昔のイメージで少額であれば親が謝るイメージも影響してますよね。業界団体で被害額の大きさを世論に伝えていくことも大事だと思います。
Q:林書記次長
キャッシュレスの取組みで「レジゴー」とかイオンさんやられていますよね?決済方法が変わる中で、万引きっていうのは業界的に増えつつあるという声(印象)を聞いたことがあるんですけど、どんな感覚をお持ちですか?
A:田村議員
カゴのまま出ていくというのはゼロではないんでしょうけど、どちらかというと、スキャンミスであり、わざとじゃなく計上されていない人が多いのではないかと思っています。逆に多くの人はわざわざ使ってまで万引きをしないのではと思います。ミスはある前提で、システム導入することで人件費が減るというところの部分だと思います。ですので、万引きとはあまり繋がらないのかなと思いますね。
⑥おわりに…
Q:玉谷書記次長
まだまだお伺いしたかったのですが、予定の時間を超過してしまいました、いろいろ貴重なお話頂きありがとうございました。

百貨店の業態ですが、万引きや切り裂きなど、かなりお客様の中にはいます。罰が軽いのではないでしょうか。
田村議員さん
がんばってください
応援しています!