【第5回】こんな場面のコミュニケーション-迷惑行動にNOと言う

前回までのあらすじ

相互尊重コミュニケーションが大切であると共に難しいことにふれてきました。そして相手の気持ちと自分の気持ちのバランスをとることの大切さときいてくれた相手への感謝の気持ちをもつことを忘れないということも解説してきました。この考え方をもとに前回はお願いをしたことへのフィードバックの仕方について触れてきました。今回は実践編パート2として、相手からお願いされたことを断らないといけない時に相手も自分もいやな気持にならないNO!の言い方について紹介していきます。

罪悪感なくNO!を言える方法があるの?

“引き受けたい気持ちはあるんだけど今は忙しくて答えられないな“”それって私がする仕事なのかな“などお願いされても状況的に引き受けられないことや、そもそも引き受けるものではないなと思う事はよくありますよね。こうしたムリなお願いにNOを言うことは、日常の仕事を正しくスムーズに進める為にも、自分自身を正しく尊重する為にも、大切です。

とはいえこれが難しいと苦手意識を持っている方が少なくありません。「NOと言ったら悪いんじゃないか」「NOと言ったら嫌われるんじゃないか」という思い込みからブレーキを踏むことも、NOを言いづらくしている原因の一つではないでしょうか。ということで、正しくNOを言うためには、まず下の4つの視点を持って話し合うことがポイントになります。

・Win-Winの姿勢があるか

・相手目線の理由がありますか

・代替案が示せますか

・不必要な言い訳に終始していませんか

そもそも大前提として、どうしても断らないといけない状態(他の仕事がつまっていてさける時間がほとんどなく期待に応えられない、頼まれたことが担当外すぎてむしろ別の人に頼まれた方がいい成果につながる など)の時、どうしたらNOを理解してもらえるかについて紹介していきますので、なんでもかんでもNOを言ってもいいわけではありませんのでそこはご注意くださいませ。

具体的にはどうすればいいの?

上記4つのうちまず基本的なスタンスとして“Win-Winの姿勢があるか”が大切です。相手のことが嫌いだから引き受けないという偏見があるとその後も含めていい方向には全く進みません。ですので、基本は「お互いより良くなるために考えましょう」という話し合いが必要になります。

ではここからはいざ話し合う時のポイントを4つ取り上げていきます。

1.条件提示

相手の要求に100%応えられないとしても、80%なら、あるいは、70%ならできるということを伝えます。例えば「7人は出せないけど、3人なら」「うちは予算が厳しいのでコストをチャージして良ければ人は出せます」などを提示していきます。こちらの意思を明確に伝えることで相手が判断できる状態になります。(第3回にも同じようなアプローチの仕方を紹介してます)

【第3回】自分も相手も大切に-、“Win-Win”発想の自己主張でモノを頼む –

ポイントは出し惜しみをせず現状で出し得るベストオファーを伝えることで相手も“そこまで考えてくれたんだ”と思ってくれることが大事です。

2. 代替案の提示

依頼されたことが業務の関係で協力出来ない時があると思います。そうした時に“他のところでなら協力できます”という代替案を伝えることもNOの1つの形です。具体的には「ちょうど参考になる資料があるのでお貸しします」といったほかに対応できることを伝えることで、少しでも協力できることがないか相手の気持ちに寄り添っていることが伝わるはずです。

3. 次の機会を明示

お願いされたタイミングとして今回は無理でも“次は受けられるようにします”ということを伝えるのも関係性を保つために必要な配慮と言えます。仕事は一度限りではないので次につなげたいという意志を相手に伝えることが大切です。その際には、どんな時なら引き受けられるのかを具体的に伝えることがポイントです。例えば「月初は忙しいので月中にお願いします」「シフト勤務なので、今日明日では対応不可能ですが10日前に言って頂ければ」と社交辞令ではなく本気で次を考えていることを伝えましょう。

4. 他のリソースを紹介

自分よりもそのことに詳しい人、多少なりとも手の空いていそうな部署、使い勝手のよい外部業者など、相手の力になりそうなリソースを紹介できないか考えてみましょう。ここでのポイントは、ただ紹介するだけですとタライ回しになってしまうので、一本電話をしたりメールしたり次につながりやすくするアクションを自分でするということです。これも結果的に相手のためにここまではしますということで、相手へのお願いに関わったことにつながります。

5. 半端なYESを渡すことのデメリットを丁寧に説明

1~4のいずれかの対応をとりたいですがどれも無理となったら、最後はきちんと断ることが必要です。その際は理由を相手にわかりやすく丁寧に伝えることがポイントです。例えば「ぜひお手伝いしたいのですが、あいにく、こちらのプロジェクトの締め切りも3日後にせまっていて厳しい状況です。半端にお引き受けすると、納期間近になってかえってご迷惑をおかけすることになりそうです。残念ですが、今回はお断りした方が混乱が少ないと思います」のように、引き受けられない具体的な理由と、仮に引き受けたとしてもデメリットが生じてしまうことを明確に伝えていくことで相手に納得してもらいましょう。

【まとめ】育成・指導上でのコミュニケーションにもコツがあるんですか?

今回はNOを伝える(相手の気持ちになるということで「言う」から「伝える」に変えてみました)ための視点具体的な話し合いのポイントを紹介してきました。大切なことは相互尊重の考え方にある相手に寄り添う気持ちだということが改めてお分かりいただけたと思います。頼まれたことに対して“仕事をふってきた”ではなく“相談をうけた”と思うだけでも少し変わった見え方がするのではないでしょうか。

さて、次回もこうした日常のコミュニケ―ションで欠かせない育成・指導上でのコツについて解説していきたいとおもいますので、また次回をお楽しみ!

次回:【第6回】部下を育てる・後輩を指導する時のコミュニケーション術について

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